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アスベスト環境基準と日本の実態

アスベストは浮遊粉塵であると同時に繊維物質であるので、単位は本(f)で表される。 日本における大気中アスベスト環境基準値は設定されておらず、敷地境界基準は10本/L(全石綿として)である。 ちなみにこの基準値はアメリカと同じである(米国アスベスト対策法)。

では、大気中や室内ではどの程度アスベストが飛散しているのであろうか? 調査の一例を示す。

アスベストを全く使用していない事務室・・・0〜0.10本/L
アスベストを含む建材を使用した事務室・・・0〜0.50本/L
アスベストを含むタイルを使用した事務室・・・0.31〜0.58本/L
アスベストを吹き付けた空調機を使用している事務室・・・2.08〜5.00本/L
壁にアスベストを吹き付けた空調機・・・1.40〜1.70本/L
壁にアスベストを吹き付けた空調機(工事直後)・・・3.34〜22.99本/L
(木村ら 1987)

※参考:大気中のアスベスト・・・0.19〜2.83本/L(平均:0.63本/L) 

(佐藤ら 1988)

環境学者の中では室内や空調にアスベストを使用していても、大気中のアスベスト濃度とさほど変わらない(基準値を超えない)という見解でほぼ一致している。 しかし、アスベスト吹き付け工事直後や解体工事時には多量のアスベストが飛散するおそれがあり、一連のアスベスト騒動で心配になったからといって、性急に除去工事を行うことはリスクを増大させる恐れがあり熟考すべきである。 また、アスベスト工事除去後に必ずしもアスベスト飛散量が減少していないとの報告があるように(入江ら 1989)、除去工事の方法やその効果も十分には検討されていない。 安全なアスベスト除去法が示されるまでは、除去工事による利益と危険性を考慮し、慎重に対応する必要があるだろう。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』